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2019年8月10日(土曜)
コース:

中央登山口(10:00)~ 合野越(10:50)~ マタエ(12:30)~ 東峰頂上(12:50)~ 東峰頂上(13:40)~ マタエ(13:50)~ 合野越(15:00)~ 中央登山口(15:50)
 
 
(1)由布岳中央駐車場に到着する。

由布岳は湯布院からもよく見える、登山者に人気の山だ。
駐車場はすぐに埋まってしまうため、私たちは早朝に北九州を出発し、なんとか車を停めることができた。
8月という中途半端な時期でも、これほど人が多いのかと驚く。
隣には有料駐車場もあるのだが、できればこちらの無料駐車場に停めたい。
すでに停まっている車には、ほとんど人が残っていない。皆もう出発したようだ。
「急がなければ…」と思うのは私だけで、同行の二人は相変わらずマイペースである。

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(2)看板の前で記念撮影

ここは、別府と湯布院を結ぶ道路沿いにある「由布岳登山口」だ。
この登山口から奥へと続く道の先にそびえる由布岳を眺めるたび、いつか登ってみたいと思い続けてきた。
一度だけ、冬に一人で訪れたことがある。
しかし、その日は無料駐車場が満車で停められず、さらにアイゼンを装着した登山者たちを見て、自分の装備では無理だと悟り、引き返した記憶が残っている。


(3)飯盛ヶ城(いいもりがじょう)

由布岳の左手には、緑の絨毯をまとったような美しい小山がある。
標高1067mの飯盛ヶ城だ。柔らかな稜線と鮮やかな草原が目を引き、眺める者の心をほぐしてくれる。

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(4)由布岳に向かって進む!

別府湾から流れてくる雲が、次々と山肌を覆っていく。
「今日、私、雨具を持ってきてません…」とMが不安そうに言うと、Uも同じく忘れたらしい。
私は思わずため息をつき、「雨具だけは、リュックの底に忍ばせとけって言っただろう」と呆れ気味に言う。
するとUがすかさず、「忍ばせるって、年寄りっぽい言い方ですね」と言葉尻をつついてくる。
「還暦過ぎた年寄りが年寄り臭いと言われても、もう何も堪えんぞ!」と、こちらも負けじと言い返した。

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(5)木陰で一休み

草原を越えて木陰に入ると、Mがすぐに「ちょっと休みます?」とベンチを指さした。
Uはもうリュックを下ろし、タオルで汗を拭く体勢に入っている。
夏だから疲れが早いのは分かるが、まだ振り返れば駐車場が見える距離だ。
ひとまず短い休憩を取り、「そろそろ行こうか」と声をかけると、Mは納得したように「そうですね、先が長いから行きますか」と立ち上がった。
Uもリュックを背負い直しながら、今さら気づいたように「それにしても誰もいませんね」と不思議そうに言う。
駐車場からのスローペースに少し苛立っていた私は、「もう、みんなこの山のどこかを歩いてるんだよ!」とつい言い返してしまった。
もちろん、そんな私の気配などどこ吹く風で、二人のマイペースぶりは相変わらずだった。

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(6)林の中は自然のクーラー

台風の影響なのか、山の中には涼しい風が心地よく吹き抜けていた。
Mが「夏登山なので暑さは覚悟してましたが、まさかこんなに涼しいとは思いませんでした」と驚いたように言う。
Yも「いつもこうなのか知らないけど、今日の涼しさはありがたい!」と笑顔を見せる。
するとUが得意げに「さすが、晴れ男ですね!」と言い出し、
Mがすかさず「U、それ関係なくない!」と突っ込んだ。

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(7)大きな岩があちこちに

由布岳は活火山で、最後の噴火はおよそ2000年前だという。
2000年という時間の長さはなかなか実感できないが、登山道のあちこちに転がる大きな岩を眺めていると、あれもその時代の火山活動の名残なのだと思えて、不思議なつながりを感じた。
そんな大岩の横を通りながら、Uが「この岩、動き出さないようにロープで縛られてるみたいですけど、こんな細いロープじゃ簡単に切れちゃいますよねー」と、相変わらずの調子で言いながら歩いていく。
その軽口に、思わず笑ってしまった。

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(8)合野越に到着

合野越は、西登山口からの道が合流する地点だ。
さらに東登山口もあり、私たちが歩いてきたのは中央登山口からのルートになる。
ここまでは樹林帯が続いていたが、この先は徐々に傾斜が増し、視界も開けて眺望が良くなる。
ベンチも設置されていて、距離的にも絶好の休憩ポイントだ。
腰を下ろした途端、Uがダイエットの話を始めた。
どうやらUにとっては“永遠のテーマ”らしく、この話題だけは尽きる気配がない。


(9)これよりジグザグの道

傾斜を和らげるため、登山道はジグザグに切られている。
そのおかげで体力の消耗は少なく、思ったよりも楽に歩ける。
「太る一番の原因は、タンパク質の取り過ぎなんですよ…」
どうやらUのダイエット談義はまだ続いているらしく、前を歩く私のところまでしっかり聞こえてくる。

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(10)眺望が開けた所が多くなる

眼下に湯布院の町並みが見えたかと思うと、次の瞬間には霧が流れ込み、すべてを白く包み込んでしまう。
麓には、飯盛ヶ城が小さなお椀のようにぽつんと佇んで見える。
樹木が少なくなった分、遮るもののない涼風が体を通り抜け、上がった体温を心地よく冷ましてくれた。

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(11)頂上が近づいてきた?

Uが前方を指さし、「あれが頂上ですか?」と尋ねてきた。
Yは「頂上は東峰と西峰の二つに分かれているから、どうかなぁ」と曖昧に返す。
地図アプリを開けばすぐに分かるのだが、今は足を止めずに先へ進みたかった。
このあたりから下山してくる人の姿が増えてきて、どうやら頂上はもう近いようだ。

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(12)マタエに到着

マタエ(標高1493m)は、東峰(1580m)と西峰(1583m)のちょうど中間に位置する。
ここに立つと、風はこれまでより一段と強く、晴れ間がのぞいたかと思えば、次の瞬間には雲が押し寄せ、視界が一気に白く閉ざされる。
まるで山の気まぐれな表情を、短い時間の中で次々と見せつけられているようだった。

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(13)マタエで登山者の下山待ち

Yが東峰と西峰を見上げながら、「今日は難易度の低い東峰だけに登ろう」と二人に告げた。
ちょうどその東峰の岩場からは、次々と多くの登山者が下ってくる。
道は険しく狭いため、こちらが登りたくても、まずは下山者を優先しなければ進めない。
しばらく立ち止まり、流れが途切れるのを待つしかなかった。

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(14)西峰を降りてくる登山者

西峰の岩場を、外国人の家族らしき一団が慎重に下っていた。
その様子を見ながら私が「見ただけで身動きが取れなくなりそうだろう」と言うと、Mは「でも、ちょっと面白そうだから登ってみたい気もします」と笑う。
私はすぐに「危険すぎるからダメ!」と釘を刺した。
するとMは、「どうしてもってわけじゃなくて…手伝ってもらえば行けるかなと思っただけです」と控えめに言う。
そこで私は念を押すように、「あなたは手伝っても無理だから!」ときっぱり言い切った。
Uは明らかに登りたそうな顔をしていたが、最終的には私の判断に従ってくれた。
 
 
(15)東峰山頂を目指して最後のトライ

奥に見えているのが西峰だ。
東峰も切り立った岩場を登らなければならないが、道らしきラインが続いているので、慎重に進めば何とか登れる。
ただし右側は断崖絶壁で、風にあおられると一気にバランスを崩しかねない。注意が必要だ。
Mが岩場を見上げながら、「高いなぁ…降りられるかしら?」と不安を口にした。
上から覗き込むと、想像以上に高度感があり、恐怖が増すことに気づいたようだ。
 
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(15)西峰 
 
 
 
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 (16)東峰山頂に到着

天気は順調に晴れていたが、別府方面から押し寄せる霧が、時おり視界を一瞬で奪っていく。
昼時を過ぎていたので、まずは腹ごしらえだ。Uからこんにゃくゼリーをもらい、ひと息つく。
涼しい風が吹き抜け、眼下には素晴らしい景色が広がる。
こんな環境では、しばらく何も考えずにボーッとしていたくなる。
「撮ってもらったら!」と二人が言うのを聞き流し、私はいつものようにタイマーで写真を撮った。
その小さなこだわりも、山の思い出の一部だと思えた。
 
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 (17)ひと時の休憩

食事を終え、私はMに「大船山では草地があって横になれたけど、ここは無理だね…」と言いながら振り向いた。
すると、Uがすでに石の上で横になっていた。
恐るべし、その順応力。
よく見ると、Uの足元を虫が一匹這っている。
「おい、虫がいるぞ」と声をかけても、Uは微動だにしない。まるで聞こえていないかのようだ。
その後、同じ種類の虫を見つけるたびに、私が「Uがいる!」とMに注意するものだから、Mは大笑いしていた。     
 
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最後に

今回は、豊後富士の別名を持つ由布岳に、念願かなって登ることができた。
朝は雲が多く、どんな登山になるのか少し不安もあったが、ふたを開けてみれば夏とは思えないほど涼しく、終始快適な山歩きだった。
広々とした草原を抜け、爽やかな風が吹き抜ける樹林帯を進み、やがて眺望の開けた道へ。
その先に続く理想的なコースを辿っていくと、ついに山頂へとたどり着いた。
下山後は湯布院の温泉で汗を流し、心身ともにすっきりして北九州へ帰路についた。
いつか、雪に包まれた由布岳にも挑戦してみたい——そんな新たな目標が静かに胸に芽生えた。
 
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