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2023年3月29日 (水曜日)
【コース】map
遙拝所登山口(9:30)~ 風穴(10:00)~ 寄り添い岩(10:10)~ 林道出会い(10:15)~ ブナ尾根コース分岐(10:25)~ 神牛岩(11:20)~ 山頂(11:40)~ 食事 ~ 山頂(12:20) ~ 宇土浦越え(13:10) ~ 宇土浦越え登山口(14:05)~ 遙拝所登山口(14:20)

(1)早朝の花見(黒崎城跡)
待ち合わせ場所に、予定より早く着きそうだったので、黒崎城跡に寄り道した。
黒崎城跡は、北九州市八幡西区黒崎駅近くの、小高い丘の上にある桜の名所だ。
思った通り、満開の桜に朝の光がまぶしく照り始めていた。
山に行く前にこんな美しい景色を見てしまって、後がしらけないかと心配になった。
そんな事はないと思い直し、今日の登山が安全で充実したものになりますようにと願った。

(1)
(2)馬見山登山口駐車場に到着
久しぶりの再会で、車の中では、Uが一人でしゃべりまくっていた。
声が大きく、左耳が痛くなった。
嘉麻市穂波町に入ると、リンゴ狩りの看板が目につき始めた。
山が近づくにつれ、あちこちに果樹園が現われ、どこもリンゴの白い花で、にぎやかだった。
駐車場に着くと、まだ車は一台も停まっていなかった。
(3)登山口正面に石碑
駐車場横の登山口から入った所に、『遥拝所』(ようはいしょ)と書かかれた石碑があった。
文字の意味は解らなかったが、とりあえず、三人で礼拝し、山に入った。
後で調べたところ、遥拝所とは、『はるか先にある神社(通説では伊勢神宮)に向かって、お祈りする場所』とあった。
ここでは馬見神社に対してお祈りする場所なのかもしれない。
(4)登山道の横には沢がある
沢にはきれいな水が流れていた。
駐車場近くの道端に、『馬見山の山中にサケのふ化場がある』という説明書きがあった。
サケは新潟県の漁協から送られたものらしい。
遠賀川に放流してサケが戻ってこれるような清流作りをめざすという取り組みをしているそうだ。
素晴らしい。
(5)透明度の高い澄み切った水が美しい
沢を渡りながら、水中を見ると、小石や砂がはっきり見える。
それだけ透明度が高く、美しい水なのだ。・・と感心している内に、二人は先へ行く。
ちなみに、沢とは、源流から川までの山中に限られた流れを言うらしい。
川は、常に水が流れている地域を言う。
定義すればこんな書きまわしになる。:ものの本より
(6)もう、道に迷ってる・・早や!
追いつくと、先頭を歩いていたUが、道に迷ったらしく、立ち止まっていた。
Mも追いついていた。
U「どっちですか?」
Y「そこに矢印の看板があるじゃない!左だろう!」
この先、二度、同じ迷いを繰り返す。
(早すぎて案内板を通り過ぎているのだ)
(信じられない)
(7)山を切り開いたような道を抜ける
開けた場所もあれば、このような狭い道もある。
所々、倒木もあった。中には、ちょうどいい腰掛けになるものもあり、一休み出来た。
(8)天に向かってのびる杉林が美しい
道は急こう配となっているが、杉林の美しさに見とれ、シャッターを切りながら登ると、疲れがやわらぐ。
ただ、二人との距離は空く。
Mの姿は見えるが、Uは、全く見えない。
(9)登りあり下りありの道が続く
Mの横に光芒がさしている。
神秘的だ、と言いたいが、話す相手がいない。大きな声でMに呼びかけてもいいのだが、大声を出すと、神秘的の要素の静寂が壊れてしまうので大声は出したくない・・・。
それにしても、適度な湿度のせいか、土がやわらかくて、歩きやすい。
(10)下りたところに風穴があった
Y「M、そこ、風を感じる?」
M「いえ、何も感じません」
Y「もう少し、岩の間に入ってみて」
M「・・・近づいても何も感じません」
Y「俺が風穴に入ってみよう!・・でも、ちょっと気が引けるな。せめて写真を」・・と言いながらフラッシュを探すが直ぐには見つけられず、まごついている内、二人は、先へ進んでいた。
(11)あっという間に、もうあんな先に
風穴の辺りから、大きな石が目につき始める。
下の方では、道の横に沢があって水が流れていたが、この辺りは、石で埋めつくされている。多分、石の下を水が流れているのだと思う。
登山道は、巨岩の谷から少し離れた山手を通るので、危なくはない。
(12)”寄り添い岩”と書かれた大きな岩
うまい具合に寄り添った岩が道の横に現われた。
はるか昔に、沢に落ちていく途中に停まったのだろう。
高さ4,5、メートルの石が、寄り添っている。
見ようによって、顔、体、動物、魚、いろんな物に見えるのが面白い。コケもいい。
(13)先で待っていた
姿が見えなくなっていたが、林道の手前で二人が、待っていた。
木漏れ日が差し込んで、いい感じだ。
登山中は気付かなくても、こうして後で、写真を見ると、いい思い出になる。
(14)林道から直ぐ山道へ
休憩した場所から直ぐ上がった所に林道があった。
林道を少し歩くと、登山道の案内板があり、道は、再び山へと入る。

(15)杉林を抜けると、広い道路にでる
多分、ここは、さっきの林道の先になるのだろうが、舗装はなくなっていた。
この広い道を少し歩くと、ブナ尾根コースへの分岐点となる。
(16)かなり急な山道
ブナ尾根コースに入ると、勾配が急になる。
ここまで来ると、三人バラバラに歩いていて会話はない。(これまでも離れていたけど、さらにだ)
相変わらず、Uのピッチは早く、Mの姿しか見えない。
(17)根っこがむき出しになっている
根っこが表面に出ている木があった。
いろんな山で、見たことがある。
大抵、珍しく思えて、写真を撮っている。
今日も見栄えのよさそな角度を考えながら数枚撮った。
カメラを構えたあたりから、後ろの方から勢いよく登ってくる登山者の足音が聞こえていた。
最近、よく耳にするトレイルランニングの若者だなと思い、近づいたらよけてあげようと思っていた。
直前まで来たので、道を譲ろうとよけると、なんと、私よりも高齢の登山者が、半ズボン、半袖で登って行った。
目からうろこだった。疲れを年のせいにしていた自分の考えを改めようと思った。
(18)山頂は近い
パワフル登山者に刺激されて、ペースを上げ、息を切らしながら、頂上近くへ来ると、御神所岩への案内板が右下を指して立っていた。
ここからまわり道をする気力もなく、最短距離をと思って真っ直ぐ進んだのだが、後で相当悔やまれた。
御神所岩は、この山で最も由緒ある『馬見大明神』が祀られている聖域だった。
最初に登山口で見た遥拝所は、やはり、馬見大明神を拝む為の場所だったのだ。
(19)Mが岩の前で立ち止まっている
息を切らせながら登っていくと、岩の前に立ち止まっているMが見えた。
追いつくと、「ほんと、牛に見える・・」と、つぶやきながら、先へと進んで行った。
岩の横に『神牛岩』と書かれた表示板が立っていた。
(なるほど、牛に見える、・・亀にも見える)
(20)ほぼ、頂上に着いた
なだらかな場所に着くと、『筑豊平野、見晴らし台』、と書いた案内板が目に入った。
ここで、やっとUを見つけた。
(21)筑豊平野見晴らし台
案内板の示す方を見ると、眺望所があった。
ずっと、山の中だったので、ここからの景色が新鮮だった。
(22)頂上到着
見晴らし台の直ぐ先が頂上だった。
978mと書かれていた。
この先にも見晴らし台があるようで、案内板が立っていた。
先にそちらに行って、帰り、ベンチもあるこの場所で、昼食にすることにした。
(23)見晴らし台からの眺望
先行で他に数人の登山者がいた。
見晴らし台の看板は新しく、作成が今年の日付だった。
ここからは、江川ダム方面が見えた。
遠くの山には、霞がかかっていた。
誰かが、PM2.5と言っていたが、のどかな春の景色に満足だった。
   
(24)近くに非難所
まだ、真新しいピカピカの非難所があった。
ログハウスのようで、見た目もおしゃれだ。
(25)非難所の中には救急箱も設置
室内は、広く、土足で入れるが、一部、土足禁止となっていた。就寝場所等の利用の為だろう。
張り紙があり、”この避難小屋は、日本山岳遺産基金(山と渓谷社設立)の助成金で建設したものです。大切にご利用ください。嘉穂三山愛会”と書かれていた。
登山者にとって、本当にありがたいことです。
(26)食事をすませ、下山
戻りは、屏山方面へ下りて行った。
下りメインだが、写真のように起伏もあって面白い。
正面には、屏山、左手に江川岳が見えていた。
屏山(へいざん)の奥が、古処山になる。
古処山は、一度登っている。
古処山、屏山、馬見山を嘉穂三山と言い、また、嘉穂アルプスと言うらしい。
(27)この上は、城跡だ
写真は、城跡から下りてきて振り返った所を撮ったもの。
(こちらからの画像の方が臨場感がある。)
山を登っていると、よく出城跡がある。
ここもその一つだ。
城跡は、楕円形の広場になっていてベンチもあった。
そこには、『筑前茅城跡(ちくぜんかやんじょうあと)』と書かれた案内板が立っていた。
築城年代は不明らしいが、永禄11年(1568年)頃、秋月氏との関りの内容が、ネットには書かれていた。 
 
   
  (28)馬見山からの下りに、椿の花
緑の木々の中に突然、真っ赤な花が現われると、うれしくなる。
登りは、杉林のせいか、ほとんど見かけなかったが、頂上からここまでの間、何本か見られた。
椿は、落ちた花もきれいだが、まだ、落ちたものはなかった。
   
  (29)宇土浦越えに着く
正面から下りてきたところ。
後ろ側が、屏山、右側が江川ダム。
我々は、左側へ下りて行く。
杉林を抜け、駐車場へ向かう。
 
4月9日(日曜)   
    追加(1)羅漢岩
4月9日(日曜)、再び、御神所岩を目指して、一人で来た。
案内板には、『羅漢岩』と書いてあるのに、これが、目的の『御神所岩』
だと思い込み、お参りしたら下山しようかと思案していた。
玩具のような簡易三脚の足が一本フニャフニャになっていたので、苦心し、やっと立ったので急いでポーズをとりに行く途中、前にある倒木に足が引っ掛かり、負傷しながらも、苦笑いでなんとか写真を撮った。
お参り後、ここまで来たのだから頂上まで行こうと決心し、上へ向かった。
   
 追加(2)御神所岩
先ほどの羅漢岩も、とてつもなく大きいと思っていたのに、さらに大きな岩に圧倒された。
これが『御神所岩』だ。
ここまで来てよかった。
(二人にも見せたかった。)
高さ24メートル、幅はもっとありそうだ。
しばらく写真を撮り、水場まで見て、頂上へ登った。
日曜なので、前回より人が多い。
登りは林道から来て、下りは前回のブナ尾根コースで戻った。
登山口の遥拝所で、掃除をしている地元の人がいたので、石碑の謂れを尋ねたところ、やはり、山までこれない人の為に、お祈りする所として設けたものだった。
御神所岩は上宮だと教えてくれ、3000年前に神様を祀ったらしい。そして、村内にある馬見山神社は1500年前に創建されたそうだ。
地元の人も、あくまで伝えとしての話しだと、ことわりを入れながら話してくれた。
 


 最後に
同じ県内の山だが、馬見山という山を初めて知った。
登ってみると、要所要所に案内板が設置されていて、わかりやすい登山道だった。
一言で言うと、本当にいい山だった。
非難所に書かれていた、嘉穂三山愛会の方々には大変感謝しています。
道も急な坂道はあるものの、起伏もあり、飽きない山歩きが出来た。
今回、御神所岩まで行けなかったので、近い内にもう一度、登ろうと思う。(今度は一人で!)
翌日、MとUからLINEが来た。
Mからは、体力をつけておくので次回もよろしく、という内容だったが、Uからは「Yさんが元気な内に、また山へ連れて行って下さい」とあった。
”元気な内”という書きまわしに、ちょっと引っかかるものがあったが、事実を受け入れ、これからも足腰を鍛えて鍛錬を怠るまいと思う。
次回は、阿蘇のミヤマキリシマを考えている。
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