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2025年5月13日 (火曜日)
【コース】
高千穂河原駐車場 (12:11) ~ 登山口 (12:17) ~ 御鉢 (13:25) ~ 鳥居 (13:50) ~ 頂上 (14:26) ~ 頂上 (14:36) ~ 駐車場 (16:10)

(1)高千穂河原駐車場へ着く

午前中韓国岳登山を終え、火山活動による道路規制の為、大きく迂回して登山口のある高千穂河原に向かった。
高千穂河原駐車場は、多くの車で埋まっていたが、出て行く車もあった。
駐車場に入ると、下山して来た人が多く、これから登ろうとする人の姿は見当たらなかった。
今からの出発でも遅くはないと思ったが、念のため、ビジターセンターで、所用時間を聞き、日中には戻れることを確認した。

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(2)鳥居を抜け山へ入る

駐車場の奥に鳥居があり、500m先には霧島神宮の跡(古宮址/こぐうし)があった。
だが最初の古宮址は、山の上(御鉢と高千穂峰の間)にあったらしい。
そこは788年の噴火により焼失し、この場所へ移っていた。
この古宮址も1235年の噴火により焼失し、霧島神宮は、現在の麓に移されている。
(3)高千穂河原登山口

霧島神宮跡を右に進むと登山口があった。
目に青葉・・と言いたくなるような新緑の林が広がり、「神宮の森散策路」という案内板が立っていた。
登山でなく観光でも周れる散策コースが書かれていた。
「シカやイノシシや多くの野鳥の姿や声を観賞することが出来ます」という説明付きだった。

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(4)道には噴石?がごろごろ

歩いて行くと噴石らしき石がごろごろ転がっていた。
最近飛んで来たのではないかと不安になった。
前から下りてきた若い登山者に、「この石、新燃岳から飛んで来たのだろうか?」と話しかけると、首をひねって笑いながら去って行った。
もう、あまり考えない事にした。
(5)山が見えてきた

山は見えるが登山道らしきものが見えない。
このまま真っ直ぐ登って行くのだろうか?
それとも回り込んでゆるやかな傾斜かジグザグの道があるのだろうか?
砂地に足を取られながら思案しながら進む。

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(6)道は真っ直ぐだった!

草地を抜けると、登山道という案内板があった。
だが、どう見ても道はない。
ガレ場を登るだけだ。
人の姿が遠くに見える。
立って登るというより、はいつくばって登っている。
このまま登るしかないと気を引き締め、山に向かって真っすぐ進み、石をつかんで体を引き上げ、方向を定めながら登って行った。
行きかう人と言葉を交わし進んでいった。
気の毒な程、おぼつかない足取りで杖につかまり下りてくる人もいた。
そしてやはり前方から、杖をつきながらぎこちない足取りの奥さんを気づかいながら下りてきた一組のご夫婦がいた。
励ますつもりで声をかけた。
「北九州から来たので、午前中韓国岳に登って来ました」と話すと「2座はすごい」と御主人が感心していた。
私は、はるばる北九州から来たのでこの山も登ることにしたと、北九州を誇張したかったのだが、すかさず奥さんが、「私たちは大阪から来たの!飛行機で来れば1時間半だから近いものよ!」とケロっと言ってのけた。
一本取られた気がした。
明日は開聞岳に登るのだと言うので「じゃあ宿は指宿ですね!」と言うと、「そうです!」と嬉しそうに言って下りて行った。
私は、明日も登るのだ・・・と驚きだった。

(7)上まで来れば火口が見える。
ここが、御鉢(おはち)だ。

(8)ここから火口のふちを通り、ゆっくりと登って行く。
高千穂の峰がわずかに見える。

(9)結構距離はあるが、さっきの登り道に比べると歩きやすく景色もいい。

(10)雄大な高千穂の峰が大夫見えてきた。
右上の岩の近くを歩く人の姿がアリ粒ほどに見える。

(11)振り返ればこんな感じだ。

(12)もう一息。狭い所は幅が3m位で両側はガケだ。風にあおられないように注意して歩かなければならない。

(13)御鉢から高千穂の峰への分岐点が見えてきた。

(14)いよいよ高千穂の峰に向かう!
目の前にすると、とても大きく感じる。

(15)ここが最初の霧島神宮跡だ。
登山者はみんな参拝していた。
考えてみれば奈良時代頃までここへ参拝に来ていたわけだ。多分、道はもっと荒れていたはず。信仰心が無ければ来れない場所だ。
今参拝できることに有難さを感じた。
ちょうど参拝者がいたので声を掛けて写真を撮らせてもらった。女性だったが、帽子サングラスたおるで素顔は全く見えなかった。
終わると撮りましょうか?と言ってくれた。

(16)ここからが高千穂の峰だ。
鳥居をすぎると高千穂の峰の本山となる。
見上げると距離はある。
最後の難関に挑むつもりでゆっくりと足いて行く。

(17)ここもガレ場で石が多く、滑りやすい。

(18)砂地なので、所々このような石を包んで足場を作っている。
ただ、段差が高くて上がれない。

(19)この傾斜だ。山頂まで200m。

(20)山頂が見えた!

(21)山頂
山頂に着いた!剣(つるぎ)が見える。
見晴らしがよく、登山者が景色を楽しんでいた。
近くには休憩所があった。

(22)天逆鉾(あまのさかほこ)
これを見たかった!
ニニギノミコトが高千穂の峰に降臨した際に突き刺したものと伝えられている。
天孫降臨の山に立てて、最高の気分だ!

 最後に
高千穂の峰は、坂本龍馬が登ったことや剣が刺さった山というくらいの知識しかなかった。
同じ霧島にある韓国岳は日本百名山で知名度も高く、登るつもりで情報収集していたが、その過程で韓国岳から見た高千穂の峰に魅かれるようになり、登ることにした。
登って特に印象に残ったのは、御鉢から見えた、頂上から麓までの切り立った急峻な傾斜で、遠くから見た美しい山容の正体はこれだとわかった。そして、やはり天孫降臨の山として多くの人々の記憶に残った高千穂の峰に立てただけで、素直に嬉しかった。
今回は、2座登るという無茶な登山だったので、さすがに下山時には疲労が限界に来ていて、古宮址から駐車場までの間にある石畳でさえ、出来れば土の上を歩きたい、と思うほど、足が痛くなっていた。
だが達成感は大きく、車に着いて横になると吸い込まれるような睡魔に襲われた。そしてわずかな仮眠だったが、頭も冴え、一息入れた後、高千穂河原を後にした。
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