トップ>活動報告>経読岳(きょうよみだけ)

 
4月19日(月曜日)
【コース】
犬ケ岳駐車場(8:30)~(迷う)~ 経読林道出会い(10:25)~ 標識(林道別れ)(10:35)~ 笈吊峠(11:00)~ 林道分岐(11:55)~ 大岩(12:10)~ 経読岳山頂(12:30)~(食事休憩)(13:05) ~ 大岩(13:25) ~ 林道分岐(13:30)~ 経読林道出会い(14:15)~ 犬ケ岳駐車場(15:00)

(1)駐車場は、がら空きだった
求菩提資料館前で満開のシャクナゲを写真に撮っている時、丁度Uが通りかかったので、駐車場まで一緒に来た。
今日は、Uと二人登山だ。
車は一台も停まっていない。
「シャクナゲの時期だから駐車場はいっぱいだと思うよ」と言っておいただけに気恥ずかしい。
Uが開口一番「がら空きですね!」と言う。
それには答えず、
「今日、いい情報と残念な情報があるけど、どちらを先に聞きたい?」と切り出す。
U「今日、すごくいい天気ですけど、なんですか?いい情報から言ってください!」といい情報を先取りされて問われる。
「いい情報は、今日は最高の天気で降水確率0%。」
U「な~んだ。じゃあ悪い情報はなんですか?」とせかす。
「悪い情報とは、まだシャクナゲは咲いてないようだ!」と言い切る。
U「え~!だから人がいないのですねぇー」
気分を変えて出発する。

(1)



(2)
(2)公共施設横のシャクナゲを撮る
駐車場を出て橋を渡った先に咲いていたシャクナゲに駆け寄り「もう花は見れないだろうからこれを撮っておきます」と言ってUが写真を撮り始めた。
けなげだが抗議に思えた。
私は、既に求菩提資料館前のシャクナゲを撮っている。
だが、そんなことより、ここで道を間違えていたのだ。
橋を渡らず左手の道に入るべきだった。
この後、少しずつ修正はして行くのだが。


(3)ナビを見ながら川を渡る
まだ、ほとんど来てないので戻ればよかったのだが、ナビに写る登山道に向かってなんとか近づこうと川を渡る。
渡った先は杉林だが、道があり、一安心で進む。

(3)


(4)
(4)杉林を抜けた先で道は消えた
『コケがきれいだ』などと話しながら進んで来たが、どうもこの先、行けそうもないことに気付き始める。
ナビを取り出し、道を見つけてもう一つの谷川を渡る。

(5)ナビに写る登山道にやっと余裕が出る
「足を滑らせないように気を付けて!こけたらこけたで決定的瞬間を撮ってあげるから!」
などと、間違ったナビゲーターの反省もなく、冷やかす私だった。
この後、さらに誤りを重ねることになるのだが。


(6)
(6)やっと登山道に出た
ここに来てやっと、駐車場から出て左手の道に入るべきだったことに気付く。
見覚えのある道に気を取り直して、近況などを話しながら進む。

(7)何故かまた川を渡ることになる
向こう岸に目印の赤い布が見え、確信して沢を渡る。
結果的に間違いの始まりだった。
(帰りに、何故、道から外れて沢を渡ったのか、問題の場所を探したが、間違えそうな所は見当たらなかった。
二人が見た赤い布も見つけられなかった。)

(7)


(8)
(8)沢の先には道らしきものがあり安心して間違った道を進む
沢を渡った後、ナビを見ると、道がすぐ左側を通っていて、上で右へ向かう林道と合流していた。
ここから左側の道を探すが見つからず、仕方なくナビの道に並行して上へ進む。
遂に、前には岩が立ちはだかり、左へ行き道を探すか、右から岩の向こう側へ回って上の林道を目指すかの選択となる。
二人思案の末、近そうな右から上を目指すことにする。
(帰りにわかるのだが、正解は左で、鎖やロープが取り付けられた急登だが、りっぱな道があった。)

(9)遂にロッククライミングとなる
回り込んで見ると登れそうな場所はなく、土がある内は、まだいいほうで、岩に出ている木の枝や根っこを頼りに岩をよじ登りながら、何度か落ちそうになるUに声をかけながら、やっとの思いで岩の上に出た。

(9)


(11)
(10)岩の上からの眺めはよかった
『あ~面白かった』と言わんばかりの余裕でUが上がってきた。
U「いい眺めですね」
私はそんな余裕はなく、ここでの疲労が後まで応えた。

(12)やっと正規の登山道に合流
山では、道を一歩間違えると、相当苦労するということを今更思い知らされた。

(12)


(13)
(13)直ぐ林道に出た
ここまで、通常1時間弱で来れるところを今日は2時間もかかった。
無駄話が多く、登山に集中していなかったせいかもしれない。
もう間違えられない。

(14)新緑に感激するU
林道から笈吊峠(おいづるとうげ)に向かう道に入った所に、新緑が生い茂っていた。
「シャクナゲにも負けない素晴らしい景色だろ」と言おうと思ったら、先に進んでいたUが新緑の前で「わぁーきれい」と感激の声を上げていた。

(14)

(15)シャクナゲのトンネル
笈吊峠付近がシャクナゲの群生地だ。
「これがシャクナゲの木のトンネルだ」と説明する。
Uの冷ややかな視線を感じる。
それにしても今年は花芽がない。
少ないではなくほとんどない。
「今年は時期が良くても沢山の花は見れなかったと思うよ」と、Uにしっかりと言い聞かせた。

(15)


(16)
(16)眺望のいい尾根道
笈吊峠から経読岳に向かう尾根道は、眺望もよく気持ちがいい。
今日は特に穏やかな風と適度な気温で春の香りが漂っているようだ。

(17)今日一番の花
「今日一番のシャクナゲを見つけました!」とUの声。
全行程でも、これ程開いたものは数本しかなく、蕾がついた木は十本程度だった。
今年は本当に花芽が少ない。

(17)


(19)
(18)まばらな木の間の尾根道を歩く
笈吊峠から経読岳まで、ほとんどこういった道が続いている。
尾根だけど、木が茂り直射日光を避けてくれる。
快適な山歩きの道だ。

(20)大岩
途中、大きな岩山があり、道は左からぐるっと裏へ抜けていた。
Uに「登りたくないか?」と聞くと「ないです」ときっぱり言われた。
登ってもいいと答えれば、次は英彦山の鷹ノ巣山に誘おうと思ったのだが。
鷹巣山は大きな岩山でロープが据え付けられていてスリリングな登りが出来る、三つのピークの山だ。

(20)


(21)
(21)大岩の横の階段
「この階段、人工と思う、それとも自然?」
それ程自然につくられたように見える石の階段だ。
Uは人工だと言う。私は自然だと言う。
現実的に考えると、自然の岩の積み重なりを人が手直ししたものだと思うけど。

(22)経読岳山頂
尾根を歩いてきて少し高くなった所が山頂だったので、少し物足りなさを感じた。
U「あっ、下にベンチがある」
実は、この先にもう一つ山頂があってそちらに三角点がある。
以前、この山は両界山と言われていたが、ここに経読堂が置かれた為、経読岳と呼ばれるようになったらしい。

(22)


(23)
(23)戻って見晴らしのいい所で食事休憩
犬ケ岳方面の山を眺めながら食事を取った。
Y「今日、会った登山者一人だけだったね」、
U「やっぱり、花の時期じゃないからでしょ」
ヤブヒベだった。
趣味で好きなことが出来るのが一番幸せですねとUらしからぬ人生を語った。
 
 
 (24)黄色い花?
見上げると若葉が花のように黄色く光っていた。
青空に包み込まれているように見えた。
Y「花はなくとも、山は最高だ!」
U「あればもっといいですね」
 
(24)
 
 
 
(25)
 (25)戻りは経読林道を通る
笈吊峠と経読岳の途中にある経読林道への道を降りたので、林道出会いに一時間早く着いた。
途中の道で、Uが「何かいる!」と大声で叫びながら駆け寄ってきた。
振り向くと、狸が慌てて溝に入って行った。
私が「脅かすなよ。熊でも出たかと思った」と言いながら、距離を置いて溝を覗くと、逃げ場のない狸がこちらをうかがっていた。
急いで写真を撮ったが、後で見たら暗くて穴倉しか見えなかった。
もしかして我々が道に迷ったのは、こいつのせいだったのかもしれないと思って見たりした。
   
   
   
   

 最後に
経読岳に登ろうと思ったのは、見るからに気持ちの良さそうな尾根歩きへの興味からだった。
『今年の花は早く咲く』という私の勘違いで登山日を早くしてしまい、シャクナゲの花は見れなかったけど、尾根歩きは思った通り快適だった。
ただ前半の疲労がたたって、途中、足がつりそうになったのにはまいった。
Uが言うには、「足がつるのは、ビタミンなんとかの栄養が足りないからですよ」と肝心なことは知らずに言い切る無駄話し。だがそんなとりとめもない話しも、山の景色のように楽しい思い出として残っていくのだろう。
以前は一ヶ所に集まって、一台の車で来ていたのだが、今は登山口で別れるので一抹の寂しさを感じてしまう。
芭蕉の『おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな』の心境だ。
いずれにしても行動しないと新たな出会いや発見はないので、次の計画を立ててチャレンジして行こうと思う。
 トップ