2017年10月25日(水曜)
コース:
吉部駐車場(6:55) ~ 大船林道合流(8:20) ~ 坊がつる(8:50)~ 段原(10:40)~ 大船山頂上(11:05)~ [昼食] ~ 大船山頂上(12:25)~ 段原(12:50)~ 坊がつる(14:10)~ 大船林道合流(14:40) ~ 吉部駐車場(16:00) |
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吉部(よしべ)登山道口駐車場(1)
北九州を深夜に出発し、車を走らせて夜明けの吉部駐車場に着いた。
標高が1000m近いだけあって、気温は5度。ひんやりとした空気が肌を刺す。
吉部は久住の西側に位置し、長者原からよりも坊がつるまで比較的楽に歩けるため、利用者も多い。
紅葉シーズンで混雑を覚悟していたが、駐車場にはまばらに車が停まっているだけで、まずはひと安心。
用を足して戻ってくると、なぜか二人が爆笑していた。
「そのへんの怪しいキノコでも食べたのか?」と思いながら理由を聞くと、Uは登山靴を忘れ、Mは弁当を忘れてきたという。
よくそんな状況で笑えるなと、あきれ半分。
結局、Uはスニーカーで歩き、Mは予備に買っていたパン一個でしのぐらしい。
何はともあれここまで来てるのだから行くしかない。
気持ちを切り替えて、出発!
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吉部登山口へ着く(2)
駐車場を出て林道を歩くと、ほどなく吉部登山口に着く。
登山口をくぐると、いきなり急斜面が始まり、しばらくは五百メートルほどの登りが続く。
両手を使ったほうが登りやすいので、二人にステッキをしまうよう声をかけた。
二人とも片付け始めたが、Mは買ったばかりのリュックにステッキを取り付けようとして、付け方が分からず悪戦苦闘している。
「立派なリュックなのに、弁当を入れ忘れるとは…」と軽く小言を言いながら手伝い、ようやくステッキを固定。
準備が整い、再び歩き出した。
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長い急斜面に体力を消耗する(3)
Uが真顔で言った。
「ずっと上まで傾斜が続いてますね。これ、頂上まで続いてるんじゃないですか?」
Y「それだったら吉部山になるだろ!」
U「なるほど、そうでした」
(※二人とも、大船山がどこにあるのかも知らずに来ているのだから、空恐ろしい。)
念のためUに靴の状態を尋ねると、
「問題ないです!」と頼もしい返事が返ってきた。 |

(3) |
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大量のキノコ(4)
吉部ルートは、この急斜面さえ登り切れば、あとは坊がつるまで比較的楽な道が続く。
やがて傾斜がゆるんだところで、Uが突然声を上げた。
U「わぁー、シメジみたいなキノコがいっぱいあります!」
近づいていったMが顔をしかめる。
M「なんか、多すぎて気持ち悪い!」
U「これ、食べられますかねぇ」
M「食べられないから、こんなに残ってるんじゃないの!」
U「さすが、そうですね」
このあとも、キノコを見つけるたびに、何度か似たような会話を繰り返す。 |
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坊がつる入口に到着(5)
吉部ルートから林道へ合流すると、急に視界が開けた。
さらに坊がつるへ向かって歩いていくと、久住の山々が一望できる。
一面に広がるススキの原と、迫ってくるような大きな山々を前に、二人は思わず歓声を上げた。
そして高い山が見えるたびに、
「私たちの登る山はあれですか?」
と、なぜか“あれ”と指さして聞いてくる。
どうして「どれですか?」と聞けないのか。
無駄な会話が多い。
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(5) |
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(6)
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坊がつるに到着(6)
二人とも「坊がつる賛歌」を知らないというので、まずは私が歌って聞かせた。
しかし、二人は両手を振って「知らない度」をアピールするばかり。仕方なくスマホで再生してあげたが、返ってきた感想は「なんか古めかしいですね」の一言だけだった。
「登山者の、あの何とも言えない哀愁が分からないのか!」と力説してみたものの、どうにも響かない。
それでも私は続けた。
「日常の楽しみもいいけど、山男はただ山に登りたい一心で、旅費を稼ぎ、時間を作り、山へ向かう。その一途さが崇高に見えるんだよ。そこに哀愁のメロディーが生まれて、歌い継がれてきたわけだ…」
気づけば、もう二人は聞いていなかった。
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大船登山口より入山(7)
坊がつるにはまだいくつかのテントが残っており、その先に避難小屋が見えてきた。
さらに進むと大船山の登山口が現れる。
登り始めると、道には色鮮やかな落ち葉が散り、秋の名残が美しい。
しかし数日前の雨のせいで、ところどころ泥道になっており、足元は油断できない。
道が並行して続く場所もあり、できるだけ泥の少ない方を選びながら慎重に進む。
高度が上がるにつれて、道は次第に険しさを増していった。
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(7) |
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疲れぎみのM、元気なスニーカーU
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段原でM復活 |

段原から見える大船山は見事に紅葉していた。 |
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ついに大船山頂上へ到着(8)
山頂にはすでに多くの登山者が集まっており、時間が経つにつれてさらに人が増えていった。
吉部からここまで、ちょうど四時間。
澄み切った天気のおかげで、久住連山の稜線はいつも以上に美しく見える。
紅葉は山の上から下へと広がり、錦のような彩りが一面に流れ落ちていた。
その鮮やかさを前に、二人ともきっと大船山の景色を忘れることはないだろう。 |

(8) |
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御池(おいけ)側で昼食タイム(9)
頂上の反対側は風もなく、陽射しがぽかぽかと暖かかった。
お湯を沸かして即席味噌汁を渡すと、二人とも「えー、手作りじゃないんですか」と、またしても不満げな声を上げる。
取り上げると、桃太郎の家来のように頭を下げ、懇願した。
弁当を忘れたMには、Uが何か食べ物を分けていた。
仕方なく、私もおかずを少し渡すことにした。
コーヒーを飲み終えると、あまりの心地よさにそのまま横になってしまった。
山頂の静けさと陽だまりが、体の力をふっと抜いてくれる。 |
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大船山南側 |

御池 |
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大船山を後にして(10) M「わぁー、私たち、あの紅葉の中を歩いてきたんだ」
Y「綺麗だけど、足元ちゃんと見ないと危ないぞ!」
ちょうど昼時で、まだ続々と登山者が登ってきていた。
U「これこそ登山って感じですね!今まで行った山って、なんだったんでしょう」
Y「そんなこと言うと、今までの山にたたられて、とんでもないことが起きるぞ!」
U「えーっ、そんなつもりじゃなかったんです。ごめんなさい」
M「それだけ今日の登山が素晴らしかったってことですよ!」
U「うまい、Mさんのその一言で締めましょう!」 |
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坊がつるで一休み |

吉部方面へ向かって歩く |
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最後に
今回は早朝出発のハードスケジュールだったが、「山を楽しみたい」という気持ちが勝り、見事に紅葉の大船山を制覇することができた。
九州では「久住山から山にハマる」とよく言われるが、今回の登山が私たちのサークルにどんな変化や影響をもたらすのか、今から楽しみでもある。
次回は、リハビリ中のメンバーの意向に合わせて、軽めのハイキングを計画している。
これからも日頃の運動を欠かさず、次の山に向けて体を整えていきたい。
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