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2023年10月26日 (木曜日)
登頂山[沓掛山・久住山・中岳・天狗ケ城]

【コース】(所用時間:7時間20分)map
牧ノ戸峠(10:00)~ 沓掛山 (10:30) ~ 星生山分岐 (11:50) ~ 久住分かれ(12:10) ~ 久住山 (13:00) ~ 御池(14:00) ~ 池ノ小屋避難小屋(14:10) ~ 中岳(14:40) ~ 天狗ケ城(15:00) ~ 久住分かれ(15:40) ~ 沓掛山(16:50) ~ 牧ノ戸峠(17:20)

(1)雲海に目を奪われる!
林道を抜け、黒川温泉を過ぎ、峠を下りようとした時、右手に広がる雲海に目を奪われた。
車を止め、夢中でカメラに納める。

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(2)牧ノ戸峠に到着
北九州を朝6時に出発したのだが、牧ノ戸峠の駐車場は、やはり満車だった。
数日前から、久住の紅葉がテレビで放送され、平日でも多くの登山者が押し寄せていた。
だが、今日は宿をとっているので、余裕をもって出発できる。 
   
(3)入山届 
登山口を入り入山届けを書く為に、二人を先に登らせる。
記入している登山者が一人いるのだが、近づいても後ろに並んでも動かない。
年配の男性で、せかせても悪いと思い、あきらめて登る事にした。
Uからアプリからも届け出が出来ることを聞き、後日調べて見ると、その通りで、数種のアプリがあるようだ。
情報は、自治体や警察にも通じるらしい。
中でもコンパスというアプリが全国の山に対応しているらしかった。
今度、使ってみようと思う。
 
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(4)展望台からの見事な景色
登りながらMが、チョコザップに行き始めた話をした。
日頃から運動不足だったし、ちょうど通勤経路にチョコザップが出来たからだと言う。

登山も、紅葉だけ楽しみたい人は、この展望台までのチョコトザンで、充分楽しめると思う。
(5)沓掛山(くつかけやま)までくれば、もう最高の景色だ!
太陽の光に照らされて、山が輝いていた。
山の紅葉は、もみじやブナ、ハゼなど、多種に渡ってそれぞれの色に染まっていく。
寺社の紅葉とはまた違った味わいがある。

沓掛山の頂上で、標識をバックに、集合写真を撮ろうと待っていたが、現れない。
おそらく、混雑している頂上を避けて、まわり道をしたと思われる。・・・姑息な。
前方には、これから向かう久住山への道が、ある。
奥には、星生山(ほっしょうさん)も見えている。


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(6)沓掛山の下り坂
はしごやロープを伝って下りる場所なので、二人には、すぐに追いついた。
ここも、周りに目をやり、景色を楽しんで下りたいところだ。
岩山には、登山というより、しっかり三脚を立て、写真だけを撮りに来ている人もいた。
(7)振り返れば、・・こんな景色だ!
沓掛山が一番鮮やかに見える季節だ。

沓掛山と言う名の山は、全国に、京都、愛媛と、ここ、三ケ所にあるようだ。
沓掛とは、旅の無事を祈って、わらじや馬沓(うまぐつ)などを掛けて、山の神や道祖神に祈りを捧げていたところから来た言葉らしい。
祈りの儀式から付けられた山だと思うと、また一段と美しさが神々しく見える。

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(8)まるで、紅葉のトンネルだ!
歩いていてもトンネルと言うほどこんもりとはしてないし、歩いている人には、わからないだろう。
一度、上から見て、心の中に景色をきざんで歩くのもいい。
(9)さわやかな風が、心地いい・・。
朝の肌寒さで着込んでいたが、体の芯が温まり、上着を1枚脱いだ。
ゆっくりと流れていく雲のおかげで、日差しはやわらかい。
途中から道端にカラマツが現われ、北の大地が思い浮かぶ。
歩きを楽しむために、急ぐ必要もなく、抜かれることはあっても抜くことはない。
と思っていると、何故か前方から戻ってくる人がいた。
考えてみれば、出発点も目的地もそれぞれなのだ。驚くことはない。
なんでも自分中心に考えてしまう悪い癖だ。


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(10)秋晴れの遠足だ!
ここまで、景色に見とれて、二人との会話はほとんどない・・・が、問題なし。
先に見えるのは扇ケ鼻のようだ。
今日は、団体登山者がいないようで、静かだ。
今度の土日辺りは多くなりそうだ。
にぎやかなのも、また楽しいのかもしれない。
(11)星生山(ほっしょうさん)も色づいていた
前方を見ると、何人かの登山者が、星生山へ向かっていた。
この彩を見て、”我々も!”と、星生山への誘惑にかられたが、寄り道をして明るい内に下山出来るか迷うところだ。
ベテラン登山者のようなカッコウで休憩している二人を見て、・・・やはり、まっすぐ久住山へ行くことにした。


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(12)星生分かれを通り過ぎる
左に行けば星生山、まっすぐ行けば久住山だ。
前方に見えるガケのような部分が星生崎で、星生山の終端になる。(拡大写真、左下)
星生崎の裏側には非難所とトイレもある。
そして、非難所の目の前に、久住山がそびえている。
今歩いているこの場所は、西千里ヶ浜と呼ばれ、平地で歩きやすい。
(13)星生崎(ほっしょうざき)を回り込む
西千里ヶ浜が終わると、岩の多いガレ場となる。
足元に注意しながら右手を見れば、阿蘇の根子岳など広く見渡せる。
そして、この先を下りて行くと、非難所のある広場に着く。
写真奥には、久住山頂が、見えている。(写真右上)
この辺りには木が一本もなく、火山帯特有の不毛地帯だったことがわかる。
1995年(平成7年)には、星生山東山腹で噴火が発生し、熊本市まで降灰したそうだ。


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(14)避難小屋に到着
ちょうど昼時に着いたが、せっかくなので山頂で弁当を食べることにした。
非難所の先が”久住分かれ”だ。
そこから左手に、硫黄山の横を抜け、”三俣山”や”坊がつる”などへ通じる。
(15)いよいよ、頂上に向かって出発!
坂は急だがすぐ右手に久住山があるので、気がせいて、ついペースが早くなる。
だが、すぐに疲れて、結局、地面を睨みつけながら、歩くことになる。
時々立ち止まって辺りを見回す。
近所の山に登っているのではなく、久住を歩いているんだという実感が湧きあがり、モチベーションを持ち直して、疲れも和らぐ。

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(16)右は山頂、左は中岳
U「ゲッ、さっきより急です!」
ここからさらに急登となり、ゆったりと右にカーブして山頂へ続く。
あせらずに、一歩一歩踏みしめて登りたい。
ここを登って行くのが醍醐味だ。
このスケールの景色は、他では味わえない!
(17)久住山頂に到着
驚くほどの人の数ではなく、みんな適度に距離をあけて弁当を食べていた。

『なにもない、頂上にある、達成感!』
昨日の朝刊に載っていた、誰かの川柳だ。
Yが暗唱するとUがすかさず「座布団100枚!」と叫んだ。
私の作品ではないのだけど。

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(18)久住山から見える三俣山
左の白い山が硫黄山(いおうざん)、その奥が三俣山(みまたやま)。
硫黄山横の窪地が北千里ヶ浜と言い、そこでは遭難事故が起きて慰霊碑が立てられている。
いつもこんないい天気ばかりではなく、天気の急変にも気を配ることを決して忘れてはいけない。
(19)山頂からの下り坂
急斜面をゆっくりと下りて行く。
足がおぼつかないMは、腰を下ろして両手を使い、慎重に下りてゆく。
この辺りから山頂にかけて、リンドウの花が咲いていた。
岩ばかりの荒地に、ポツンと咲かせている紫の花を見ると、可憐さの中にある生命力の強さに驚かされる。

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(20)次に向かうは中岳!
前方に見える山は天狗ケ城(てんぐがじょう)。
まっすぐ登っていく登山者もいるが、無理な急登は避けようと思う。
登るなら、距離の短い向こう側からにしたい。
ただ登るかどうかは、中岳を登った後に判断するつもりだ。
私たちは右に曲がり、御池(みいけ)を目指す。
(21)御池(みいけ)
初めて来たのに、二人が、「ここ、きたことありますよねぇー!」と言い出す。
「覚えてないんですか!」とまで・・知らないこちらがおかしいような勢いで言い張る。
多分、大船山の御池(おいけ)と間違えているのだ。
池の名前が似ているだけで、周りの景色が全然違う。
あの紅葉の中に浮かぶ御池(おいけ)の美しかったことをよく忘れられたなと逆に感心する。

この御池(みいけ)には、紅葉はないが、冬場は凍って人が渡れるそうだ。
それから、今日発見したのだが、この先の”池ノ小屋避難小屋”方面から御池(みいけ)を見ると、ハート形になっていた。


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(22)中岳到着
御池(みいけ)から”池の小屋避難小屋”に立ち寄り、中岳に向かった。
中岳の頂上までは難所で、道らしきものはなく、大きな岩の間を通ったり越えたりして登った。
でも距離はそれほどなく、麓から10分程で頂上に着いた。
頂上からは、平治岳、大船山、坊がつる、三俣山、など、久住の代表的な場所が見えた。
大船山の頂上付近では紅葉が進んでいるようだったが、霞で良く見えなかった。

最初に撮った集合写真で、Uの顔に黒いヒゲのような物が写っていた。
言うべきか迷いながら思い切ってUに見せると、Uがバツの悪そうな顔をして、「小顔に見せようと顔を引き上げたんですけど・・手袋を外すの忘れてました!」と黒い手袋を出した。
謎が解け、爆笑!
(23)天狗ケ城(てんぐがじょう)に立つ
中岳から反対側に見える山が天狗ケ城だ。(写真下)
この山は、昔、爆裂火口が生み出した、とがったピークで、その形が天狗の鼻に似ていたところから、天狗ケ城と呼ばれるようになったそうだ。
中岳を下り、天狗ケ城に近づいて下から見上げると、頂上付近がかなり険しくなっていた。
Mが登れるか心配だったが、無理だったら引き返せばいいと割り切り、登る事にした。
だが、チョコザップに行ってるだけあってか?、弱音を吐くことなく、登り切った。
集合写真を見ると、天狗様の化身なのかオーラのように光って見えた。
よく見ると後ろの雲だった。


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(24)天狗ケ城からの下り
返りは、反対側の久住山側に下りる道だ。
下りだから疲労は少ないだろうと思いきや、砂と小石が多く、おまけに急な為、Mは超スローペースで下りなければならなかった。
Uは、とっとと先に下りていた。
(25)帰り道、西千里ヶ浜に出る
天狗ケ城から下りて、まずは、一息ついたところで、時計を見ると、3時をとうに過ぎていた。
夕暮れまでには下山したいので、二人に、「ここから後2時間ぐらいかかる!」と伝えると、二人「え~」と驚いたが、歩きに変化はなかった。
久住分かれから非難所を過ぎ、星生崎の下を越えて、平地の西千里ヶ浜に出た。
自転車があれば早いよね、とか、持ち込み禁止だと思います、とか、さっき抜いて行った若者の体力をもらいたい、とか、勝手なことを言いながら、歩いて行った。
宿に泊まるので、2時間かかろうと、気にはならない様子だった。


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(26)星生山も見納めだ
日が傾くにつれ、山に影が広がり始めた。
山の夕暮れは早い。
写真を撮るにはベストタイムだが刻々と過ぎていく。
沓掛山は直ぐ近くだ。
もう、二人にかまっている暇はない。
足を速めて先を急ぎ、写真を撮りまわる。

写真を撮った後、戻ると沓掛山にUがいた。
Mを尋ねると近くに来ていると言う。
岩の上を動いている姿を確認し、再び、シャッターポイントを求めて道を下りていく。
(27)無事、帰還!
日の沈む前になんとか全員無事下山できた。
今までで、一番長く久住にいたと思う。
暑くもなく、寒くもなく、程よい疲労感だ。
帰り、車の所へ行くと、離れた場所から角をはやしたシカが、じっとこちらを見ていた。
向かって来ないか心配だったが、そんな様子はなかった。
最近、野生動物が人家に出没し危害を加えるニュースをよく耳にする。
シカの視線を気にしながら、登山道具をかたずけ、出来るだけシカを刺激しないよう、注意して車に乗り込んだ。

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   (28)部屋の赤いコート
宿は久住のコテージを予約していた。
屋外には広いテントスペースもある。
部屋に入ると最初に目を引いたのが、防寒用と思われる大きな赤いコートだった。
狭い入り口にデンと吊り下げられている異様な大きさのコートで、『はずかしくて、こんなもの、利用するやつなどいるものか!』と思いきや、食事に行こうと外に出ると、二人がちゃっかり着ていた。
恐れ入りましたと考えを改め、私も着て、食事処に向かった。

 最後に
今年もベストシーズンに秋の久住登山を楽しむことが出来た。
年を重ねるごとに、最後まで歩けるだろうか?と、不安になる。
一昨年、Uと行った三俣山では、最後に足がつり、元気なUに悟られまいと、早めの弁当を提案し、ごろりと仰向けに休んだこともあった。
足の筋肉が衰えてきたのだと思い、週1,2回、近くの山へ登り、足腰を鍛えている。
Mはチョコザップに通い、体力維持を計ろうと努力している。
Uは今のところ、若さで体力が保たれている。
充実した時間を永く過ごせるよう、健康管理に努め、これからも山歩きを楽しみたい。
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