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2019年11月12日(火曜)
コース:
第一駐車場(9:55)~ 鹿嵐山雌岳(11:30)~ 鹿嵐山雄岳(12:00)~ 昼食 ~下山(13:10)~万里の長城(14:15)~ 眺望 ~ 地蔵堂分岐(14:55)~ 地蔵峠(15:05)~ 地蔵堂分岐(15:10)~ 第二駐車場(15:25)~ 第一駐車場(15:50)
 
 
(1)冷や汗ながらも第一駐車場に到着

北九州から耶馬渓町へ入り、山越えの最短ルートで鹿嵐山第一駐車場を目指した。
奥へ進むほど道は細くなり、いつ行き止まりになってもおかしくないほどの狭さだ。
Mは前方を凝視しながら、「こんな所にポツンと一軒家の取材に来たみたいですね!」と笑い混じりに言う。
Uはというと、後部座席で眠っていた。
峠に差しかかると工事中の看板があり、誘導に従って進むと、急に広い二車線道路へと出てほっと胸をなで下ろした。
駐車場には、すでに五台ほどの車が停まっていた。

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(2)登山口にお地蔵さん

車を降り、駐車場から一度道路へ出ると、すぐに谷川へ下る登山口への案内板があった。そばには「作業中、発砲禁止」と書かれた赤いのぼりも立っている。
Uが眠そうな目で「今日は、撃たれなくて済みますね!」と言う。何か、言いたいだけなんだ。
登山口へ降りていくと、棒を手にしたお地蔵さんが静かに立っていた。
Mが「きっと、邪気を払ってくれてるのよ」と言うので、三人で手を合わせ、安全祈願をして通り過ぎた。


(3)山に入ると、いきなり急登だった!

山に入ると、いきなり急登が始まった。
登山道のあちこちには木の名前が書かれた札が掛けられている。
本当はそれらを眺めながらゆっくり登りたいところだが、Uのペースは相変わらず早い。
Mはその背中を追いかけようと、一生懸命歩みを速めているように見えた。

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(4)杉林

急登の道は、ただひたすら上へと続いていた。
ところどころに立つ親切な案内板が励ましてくれているようで、迷う心配はない。
足元のやわらかい土も歩きやすく、ありがたい。
一息つきながら写真を撮っていると、前を行く二人との距離はさらに開いてしまった。


(5)ずっと右写真の傾斜!

息を切らしながら登っていくと、前方で二人が車の話をしながら待っていた。
この急坂を登っても息ひとつ乱れていない様子に感心しつつ近づくと、Uの声が耳に飛び込んでくる。
「買取とリース、どちらがいいと思います…」
この話題は消費税が上がる前から続いていて、まだ迷っているらしい。

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(6)所々に、切り倒された木が転がっていた!

登山口で見かけた「作業中」というのぼりは、どうやら木の伐採作業のことで、猟師に対する警告だったんだろう。
とすれば、ノボリを見たときのUのつぶやきはジョークではなくまともな感想だったことになる。突っ込まなくて良かったー。

道の脇には、真新しい切り口の杉やヒノキが倒れており、民芸品に使えそうなヒノキの葉が無造作に横たわっている。
そういえば、さっきから山の奥のほうでチェーンソーの音が響いていた。


(7)おしきみの赤い実に目を奪われる!

褐色の落ち葉を踏みながら登っていると、突然、赤い実をつけた鮮やかなおしきみの群生が現れた。
単調になりがちな山道の色合いの中で、その赤はひときわ映え、思わず足を止めて見入ってしまうほどだった。

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(8)シャクナゲの木も多くみられる

来る途中にも多くのシャクナゲを見かけた。
春になれば、この山もシャクナゲの花で賑わうのだろう。
今日の気温は13度。登り始めは少し肌寒かったが、ここまで来るとさすがに暑い。
それでも意外と汗はかいておらず、空気の冷たさがちょうどよく体を冷ましてくれているようだ。


(9)やっと、急登を抜ける!

尾根に出たようで、傾斜がゆるやかになった。
ここまでは眺望がなく、近くの山々が杉林の隙間からわずかに見える程度だ。
そのぶん、木漏れ日の差す道が暑さをやわらげてくれ、歩く足取りも軽くなる。

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(10)雌岳(めだけ)到着!

やっと雌岳(730m)に到着した。
急登を越えてたどり着いた達成感は大きい。
この先は雄岳を登り切れば、もう大きな登りはほとんどなく、景色を楽しみながら歩けるはずだ。
前方の木々の隙間から、わずかに雄岳の姿がのぞいている。


(11)雌岳を降りて雄岳を目指す!

雌岳からロープの張られた斜面を下っていく。
二つの峰をつなぐ道なので大きな高低差こそないものの、峰同士が近いため、上りも下りも傾斜が急だ。
落ち葉で足元が滑りやすく、ロープをしっかり握って慎重に進まなければならない。

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(12)予想通り尻餅をつくM

(13)見上げる余裕などないのかも


(14)中央登山口への分岐点

(15)紅葉の美しさにやっと気付く



(16)
(16)雄岳(758.1m)へ向かう一直線の坂道

ジグザグに登りたいところだが、道幅が狭く、それもままならない。
ここは無理をせず、休み休み登らないと足腰を痛めてしまいそうだ。
それにしても、Uはどういう体のつくりをしているのか、急斜面をものともせず難なく登っていく。
もしかしたらサイボーグなのでは、と本気で思ってしまう。


(17)雄岳(おだけ)到着!

雄岳(758.1m)には、ちょうど正午に着いた。
周囲の景色を写真に収めたあと、弁当を広げることにした。
Mが敷物を出してくれ、ちょうどいい昼食の場所が整う。
今日は、本来なら「今度帰りに寄る」と言っていたUお気に入りのコーヒー店が定休日だったため、山で美味しいコーヒーを入れてあげると約束していた。
お湯を沸かしていると、Uが「なんちゃって味噌汁」を取り出した。普通の味噌汁と何が違うのか尋ねてみたが、説明を聞いてもよくわからなかった。
食事を終え、コーヒーを飲んだあと、仰向けになると、背後からUの「極楽ですね」という声が聞こえた。
「登山者に踏みつけられるなよ」と軽く注意しつつ、しばし紅葉と空を仰ぐ。
このまま眠ってしまいたいほどの心地よさだ。幸い、登山者は一人も通らなかった。



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(18)一際高い雄岳からの景色

ここからは眺望がよく、周防灘まで見渡すことができた。
眼下の山々は紅葉にはまだ少し早いようで、ようやく色づき始めた木々が点々と混じっている。
遠くの山肌には、流れていく雲の影がくっきりと映り、ゆるやかに形を変えながら移動していくのが見えた。


(19)急斜面を降りる!

雄岳を下ろうと先へ進むと、道は崖のようにほぼ垂直で、ロープを頼りに慎重に降りていくしかなかった。
その途中、今日初めての登山者とすれ違った。かなり年配の方で、一人で黙々と登っていく。
Mはその背中を見送りながら、「私、一人で山に入るとか絶対に無理!」と感心と本音を込めて言った。
正直、私も一人登山は避けた方がいいと思う。きっとすぐに道を外してしまいそうだからだ。

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(20)痩せ尾根

(21)痩せ尾根の終わり



(22)万里の長城に入る

(23)絶景の崖上、Uの手前で写真を撮るM



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(24)雲に乗って仙人でも現れそうな風景

じっと眺めていると、何か悟りが開けそうな気さえしてくる。
登山の楽しみは、まさにこれに尽きるのだと思う。
ここに来なければ出会えない景色に、こうして身を置けることだ。



(25)万里の長城より雄岳を望む

(26)地蔵堂分岐より地蔵峠へ行くが眺望なし



(26)第二駐車場への道、緑はシャクナゲ

(27)第二駐車場登山口到着、これより県道を歩き第一駐車場へ向かった。

最後に

今回は紅葉で名高い山に登ろうと思い、『九州の山歩き』で紹介されていた鹿嵐山を選んだ。
読み方を覚えるだけでもひと苦労で、二人から何度も尋ねられたが、そもそも彼女らには山の名前を覚えようという気があまりない。
とりあえず、馬の耳に念仏だと思いながらも、何度でも答えてあげた。
先月は一泊で気合を入れて祖母山に登ったこともあり、今回は軽いフットワークで歩けるだろうと考えていた。
しかし、鹿嵐山を甘く見ていた。周回四時間のコースとはいえ、短距離ゆえに急斜面が多く、思っていた以上にハードだった。
さらに、デジカメと一眼レフの二台を持ち歩いたことも、疲労に拍車をかけたのだろう。
それにしても、車から眺めるだけでは想像もつかない景色が、山の中には広がっている。
そのたびに驚かされ、心を揺さぶられる。
これからも、思いがけない出会いを求めて、歩き続けていきたいと思う。
 
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