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2024年11月17日 (日曜日)
【コース】
路肩駐車(11:25) ~ 登山口 (11:25) ~ 林道分岐(12:00) ~ 分岐 (12:10) ~ 杉林(12:40) ~ 山頂 (13:25) ~ 登山口 (15:00) ~ 路肩駐車(15:00)

(1)あいのせ茶屋

九重町(ここのえまち)役場から九重山へ向かう途中、あいのせ茶屋に寄った。
紅葉シーズンも終わりかと案じていたが、予想に反して木々は鮮やかに色づいていた。
望んだ晴れ間はなかったが、かえって太陽の照り返しがなく、彩がはっきりと見えた。
谷間からは絶え間なく渓流の音が鳴り響いていた。


(1)


(2)
(2)男池

花牟礼山近くの男池でトイレ休憩をした。
駐車場のドウダンツツジは、これ以上にない色に染まっていた。
下り坂の天気に、行き交う車は少なかったが、ドウダンツツジに魅かれて、次々と駐車場へ入って来た。
中には、黒岳方面を目指してせわしく男池に入って行く人もいた。
私たちは先を急ぐので入らなかったが、道からの景色は水彩画のように見えた。
(3)花牟礼山登山口に着く

今日はMと二人登山だ。
Uは何をしているやら?
多分仕事だろう。
今日の山は、まず迷わないだろうと思って来たのだが、実は、ここに来るまでに、入り口がわからず、行き過ぎて引き返してきたのだった。
20分程のロスタイムとなってしまった。
この場所へは、下の道路から御幸トンネルを抜けてすぐ左側にある山道を入って来た。
道の左右はうっそうとした杉林で、大規模なシイタケ栽培所のようで、軽トラックが停まって荷を積んでいた。
途中、停められる場所もあったが、密猟者に間違われないよう、上まで登って来た。
この少し先に広場があったが、私有地のような気がして、戻って登山口の横に停車した。
後で調べたら、広場に停めてよかったようだ。
(庄内町庁舎の方の情報)

(3)

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(4)登山口から入ってすぐの場所

登山口から入ってすぐの所にも、シイタケ栽培のクヌギが置いてあった。
Mに、ここでは靴ひもを直さないように注意し、先へ進んだ。
(5)登山道は舗装道

予報では、明日から気温が急激に下がるそうだが、今日はさほど寒くなく、上着は車に置いてきた。
曇り空で時折日も差しているが、いつ雨が降ってもおかしくない空模様だ。
舗装された登山道は迷うことなく歩きやすい。

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(6)すすきが美しい
紅葉の遅れはありがたく、山の彩だけでなく、ススキも美しい。
歩けば体も温まり、私はここで半袖になった。
(7)色づく木々

Y「目に青葉、山ホトトギス、初ガツオ!」
M「季節、違ってません!」
Y「いいんだ!この景色を見たら言いたくなった」
M「相変わらず、おおざっぱですね」

(7)

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(8)「あっ、何も見えん」

眺望の利くところまで来たが、雲に覆われて山頂はどこも真っ白だった。
M「どれが何山ですか?」
Y「わからん!・・と言うか、山の名前知らないでしょ」
M「知りません」
Y「じゃぁ聞きなさんな!」
M「はい」
(9)雲がこちらまで流れて来て霞み始める

花牟礼山がこんなに広葉樹の多い山とは知らなかった。
秋には最適の山だと知った。
雲が流れてきた。
ぼやけて見える景色も悪くない。

(9)

(10)
(10)舗装終点

かなりの距離を歩いて、ここで舗装道路が終わった。
この先から草地だ。
ここまで来て、Mも上着を脱いでいた。
(11)いい感じの紅葉が広がる

草地から林に入って歩いていると『蜂に注意』の看板があった。
ハチの巣でもあったのだろうか、だが通り過ぎるまで蜂はいなかった。

(11)

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(12)落ち葉の絨毯

何なのだ、この美しさは!

コーヒーでも飲みながら、いつまでも眺めていたい気分になる。
(13)右への分岐

Mがまっすぐ先を歩く。
右側にもう一つ道がある。
分かれ道では、一応、目印を探すことにしている。(何度か間違った経験からだ)
ここで、枝に付いてる赤い目印を見つける。
Mに右へ行くよう声を掛けた。

(13)

(14)
写真を撮っていると離れてしまう!

(15)
追いつくとMも半袖になっていた。

(16)
『秋の山歩き』という題名の絵になりそうだ!

(17)
モミジ・カエデ・クヌギ・・・

(18)
(18)Mの悲鳴
先を歩いていたMが、悲鳴を上げて戻って来た。
Y「どうした?」
M「イノシシがいる」
と言いながら私の後ろに隠れる。
そして私を押し出す。「???」
シャッターチャンスだが、余裕がない。
いつでも戻れる状態で(簡単に言えばへっぴり腰で)前に進む。
黒い獣の背中が目に入り、戻ろうとした時、あっという間にイノシシが掛け下りて行った。
『よかった!』(心の声)
この後、見通しの悪い所では手拍子を打ちながら歩いた。Mは合いの手のつもりか「よぉー」と、声を掛けた。
(19)ここから針葉樹林帯になる

ここから杉林に入り急な坂道となる。
杉林の左手に、山頂へ向かって鉄線が張られていた。
鉄線の向こう側にはモミジが見えた。

(19)

(20)
急な坂道

(21)
鉄線の向こう側

(22)
(22)Mが遅れだす

M「Yさーん!」
Y「どうした!イノシシか?」
M「姿が見えるとこにいて下さい!」
霧に霞む景色を撮ろうと先へ行く内に、つい離れてしまう。
Y「もうすぐ頂上だ!」
M「また、ウソでしょ」
励まそうと思ったが効果なかった。
(23)山の上に出る

ここから、平治岳、黒岳、大船山、などがあるはずだが雲にかすんでいた。
頂上付近の紅葉はもう終わっていた。

(23)

(24)
(24)上部の先にピークが見える

天気さえよければ、九重連山が見える気持ちのよいはずの場所だ。
さらに西から雲が近づき、ミストの中を歩く。
Mが雨具をつけ、私は折りたたみの笠を開いた。
(雨具は持参しているが、着るのが面倒で、今日は笠を持ってきた。)
先のピークが頂上のようだ。
(25)頂上に着く

傘をさしての頂上写真は初めてだ。
この先の、ながみず山方面は、真っ白で道も見えなかった。
今日の天気は、曇り、晴れ間、曇り、ミスト、下りは、曇り、晴れ間、となった。
相当、腹もすいていたが、食事は男池の駐車場に戻って、車の中でとることにした。

(25)

(26)
突然、横を歩いていたMが、また「何かいる!」と飛び付いてきた。私は何かよりMの動きに驚いて飛びのいた。「どうした?」と聞くと、「音がしたからイノシシかもしれません!」と言う。「枝か何かが落ちたのだろう」と余裕を見せて言いながら、急いでその場を離れた。

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帰着

 最後に
花牟礼山は、九重から外れたマイナーな山として紹介されているが、紅葉を楽しませてくれた山として特に印象に残った。そして、来る時も帰る時も通って来た、男池を挟んだ前後数キロの道の紅葉が美しく、車を止めてカメラ片手に歩き回る人を何人も見た。時間があれば、私もと思ったが、登山の疲れもあり、連れもいることから、後ろ髪を引かれる思いで通り過ぎた。途中、霧の中に浮かぶ九酔渓を写真に修め、帰路につくという、秋を満喫した一日だった。
物好きな私は、翌水曜日に再び男池を訪れたが、4日しか経っていないのに、あの日の美しさはもうなかった。
男池入り口の喫茶店に寄り、主人から、数日前の嵐で葉が落ちてしまったのだと聞いた。
喫茶店は今年の5月にオープンしたらしく、九重の水を使っていると言うだけあって、ここのコーヒーが、相当美味しかった。
今年も秋の山を歩くことが出来た。最近は、山に入ることが有難いと感じるようになった。
いつか、松尾芭蕉のように、「旅に病んで夢は枯野を駆け巡る」という日が来るかもしれない。
いや、間違いなく来るだろう。
そうなる前に、出来るだけ多くの山に登りたい。
一人登山もいいが、連れがいるとさらに楽しさも増すものだと思う。
これから先、韓国岳や石鎚山にも挑戦したいと思っている。
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