トップ>活動報告>福智山(鱒渕ルート)

 
3月23日(火曜日)
【コース】
鱒渕ダム駐車場(7:15)~ 鱒渕登山口(7:35)~ ホッテ谷別れ(8:10)~ 大杉(8:50)~ 福智平(鈴ケ谷岩屋分岐)(9:25)~ 鈴ケ谷岩屋(9:30)~ 福智平(9:35)~ 福智山山頂(9:50)~ 福智山山頂(下山)(10:25)~ たぬき水(10:35)~カラス落とし(10:40)~ ホッテ平(11:05)~ ホッテ谷別れ(11:20)~ 鱒渕登山口(11:50)~ 鱒渕ダム駐車場(12:15)

(1)早朝、鱒渕(ますぶち)ダムに到着

市内の混雑を避け、九州自動車道横の道から平尾台下の国道を抜ける。頂吉(かぐめよし)少年自然の家の前を通り過ぎると、ほどなく鱒渕ダムに着いた。
ダム横の駐車スペースには既に七台の車が停まっている。
気温6度。
風はなく、張り詰めた冷気の中で、周囲の山々が鏡のように静かな湖面へくっきりと映り込んでいた。

(1)

(2)
(2)赤い橋を渡る

湖面に張り出した桜を撮ろうと橋まで向かったが、ちょうど陽が差し込み始め、逆光でよく見えなくなってしまった。
それでもひとまずシャッターを切り、先へ進むことにした。
(3)鱒渕登山口に到着する。

ダムの周囲は車両進入禁止で、静かなサイクリングロードが続いていた。
登山口は、沢の水が流れ込むいちばん奥まった場所にある。
この先に福智山がそびえているはずなのだが、手前の山に隠れてまだ姿は見えなかった。

(3)

(4)
(4)見落としがちな登山道

登山口を少し進むと道が二手に分かれ、そのうち一方は山側へと伸びていた。
広く真っ直ぐな道の先には、登っていく登山者の姿がちらりと見える。
しかし右手には九州自然遊歩道の看板が立っていたため、そちらの道へ入ることにした。
(5)下の道路は見えるのだが

もう少し距離が近ければ、先ほどの登山者に声をかけられたのだが、すでに下の道を歩く姿は見えなくなっていた。
下の道からでも登れるのかもしれないし、あるいは途中で引き返したのかもしれない。

(5)

(6)
(6)チョー気持ちいい!

やわらかな杉の葉を踏みしめながら歩いていると、ふと顔を上げた先に、見事な杉の木々がまっすぐ並んでいた。
その清々しさに触れた瞬間、北島康介の新語大賞にもなった「チョー気持ちいい」という言葉が思わず頭をよぎった。
(7)ベンチと案内板がありがたい

登山道はとてもよく手入れされていて、ところどころにベンチや案内板も設置されている。
高齢になっても、休みを挟みながらのんびりと登れそうだ。

(7)

(8)
(8)ミツマタの群生がある

登山道から右手へ折れて山側の道に入ると、そこにはミツマタの群生が広がっていた。
渓流沿いにもいくつか咲いていて、淡い色が森の中にやわらかく浮かんで見えた。
(9)登山道の横を流れる渓流

ヤマメが潜んでいそうな、ところどころ深みをつくる美しい渓流が続いていた。
ただ、上から見下ろすとつるに覆われ、ただの藪のようにしか見えないのが少し残念だった。

(9)

(10)
(10)鮮やかな椿の道

坂道には椿の花があちこちに落ちていて、その鮮やかさに元気をもらいながら歩いた。
こちらもお返しのつもりで、道に転がった石をどけつつ進んでみたが、そんなことをしているといつ着くかわからなくなる。
結局、石はそのままにして、椿を愛でるだけにして先へ向かった。
(11)ホッテ谷別れに着く

分岐点に出た。案内板によれば、右側のホッテ平を通る道のほうが数百メートルほど近道になるらしい。
だが今日は真っ直ぐ福智平へ向かうことにした。右側の道は下山で使うつもりだ。
真っ直ぐ登り始めると、難所とされる石の多い急登が続いた。
思ったほどきつくはなかったものの、途中でひと息つき、重ね着していた服を一枚脱いだ。

(11)

(12)
(12)稜線の光が差し込んできた

やがて稜線が見え、そこへ上がるとベンチが置かれ、左手からも道が合流していた。 おそらく頂吉少年自然の家の方面から伸びてきた道だと思うが、確信はない。
その先は緩やかな道が続き、歩きやすさに心もゆるんでいった。
(13)大杉に着く

稜線からしばらく歩き、坂道を登りきった先は下りになっていて、そこには小さな窪地の広場が広がっていた。
広場のそばには「大杉渡り」と書かれた看板が立っている。
沢を渡って進むと、その名のとおり大杉が現れたが、想像していたほどの巨木ではなかった。

(13)

(14)
(14)いつのまにか原野に出た

緑が途切れ、葉を落とした木々が立ち並ぶ、開けた場所に出た。
驚いたことに、こんな山の上にも二輪車の車止めが設置されている。
無法者は本当にこんな場所まで来るのだろうかと、思わず感心した。
(15)福智平に着く

右手には福智山の姿が見えていた。
帰りは別の道を通る予定なので、左手に立つ鈴ケ谷岩屋の案内板に従い、そちらへ入ってみることにした。

(15)

(16)
(16)鈴ケ谷岩屋から見た福智山

鈴ケ谷岩屋には二畳ほどの平たい岩があり、そこからの眺めは想像以上に素晴らしく、この方向から福智山を見るのは初めてだった。
ここからは見えないのだが、正面に上野方面、左に香春町、右に八幡方面が広がる位置になる。
(17)最後の福智山へいどむ道

なだらかなこの場所にも、またベンチが置かれていた。
木陰にあるのが本当にありがたい。
ふと見上げると、上空では一機のヘリが盛んに旋回していた。

(17)

(18)
(18)正面の山に一本の道が見える

上から見下ろすと、はるか牛斬山から続いていると思われる登山道が見えた。
その近くには、数人の登山者がゆっくりと歩いていた。
(19)山頂まじか

山頂は、こちら側から見ると奥行きがあって、思いのほか広々として見えた。
まだ時間が早いせいか、登山者の姿は少なかった。

(19)

(20)
(20)山頂より鱒渕ダムを望む

山頂から出発地を見渡せるのも、このコースの魅力のひとつだ。
歩いてきた方向を眺めながら弁当を広げると、なんとも言えない味わいがある。
春の景色はのどかで、どれだけ眺めていても飽きることがなかった。
下山はまた別のコースを歩くつもりで、それも楽しみのひとつになっていた。
   
(21)椿、多すぎ!

椿の花は咲いてもすぐに落ちることが多く、縁起が悪いと嫌う人もいる。
けれど、道に散りばめられた美しい花の姿は、私には一期一会の貴重な作品のように思えた。
今回の登山は、西行法師の
『吉野山 こぞのしをりの道かえて まだ見ぬ方の花をたずねん』
この和歌を胸に、初めてのルートでどんな発見があるのかを楽しみに歩き始めた。
そして今日の“まだ見ぬ方の花”は、この椿に決まりだ。
私自身もまた、今日の工程を心の“しをり”としてそっと挟んでおきたい。
 
(21)
   
 
(23)
 (22)行く時には見なかった桜

鱒渕ダムの下には、満開の桜が見事に咲きそろっていた。
ここ数日で一気に開いたのだろう。
山桜の素朴な風情も好きだが、これほどの桜が勢揃いすると、やはり圧倒される美しさがある。
花景色に後ろ髪を引かれつつも、名残を胸に帰路へと向かった。

 最後に

昨年からのコロナ禍で、メンバーには現地集合を伝えていたのだが、それ以来、誰も来なくなってしまった。
もはやサークルと呼べる状態ではないが、名前を変えるのも面倒なので、このまま続けていこうと思っている。
今回のコースは「初めて」と書いたものの、実は若いころ、会社の青年部の活動で歩いたことがあるのかもしれない。
ただ、どのルートだったのかはまったく覚えていない。おそらく二度ほど登ったはずなのに、記憶に残っているのは、各方面から青年部員が材料を持ち寄り、山頂でホルモン鍋を囲み、ギターを弾きながらフォークソングや労働歌を歌ったことだけだ。今ではとても考えられない光景だろう。
福智山という名前を聞くと、いつもその頃の情景がよみがえる。
これからも体力の続く限り、山歩きを楽しみ、また新しい思い出を作っていきたい。
 トップ