2018年4月28日(土曜)
コース:
昭和の森公園(10:45) ~ うさぎ道分岐(12:00) ~ 宝満山山頂(14:00) ~ うさぎ道分岐(16:20)~ 昭和の森公園(17:30) |
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昭和の森公園に到着(1)
宝満山は福岡県太宰府市と筑紫野市にまたがる山で、山頂には神社がある。
福岡では登山者が最も多い、人気の山として知られている。
ゴールデンウイークが始まり、道路の交通量は増えていたものの、心配していたほどの渋滞はなく、予定通り公園へ到着した。
山では、新緑の木々がちょうど葉を広げ始め、初夏の気配が漂っていた。 |

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公園の滝の前で一枚(2)
今日は、Uが仕事の都合で参加できなかった。
もし今日が雨なら、明日はUがTと交代して参加する予定だった。
そんな事情もあって先に参加したTは、山を見上げるなり
「私、登れるか心配です! Uに譲ればよかった」
と、出発前から不安そうな表情を浮かべていた。
『それを今言うのかい!』と心の中で突っ込みつつ、
「行けるだけ行ってみよう!」と声をかけ、励ましながら歩き始めた。 |
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エーツ!二時間も歩くんですか?(3)
難所ヶ滝とキャンプ場への分岐に差しかかったところで、看板を見たTが不安そうに声を漏らした。
まだここまで十分ほどしか歩いていない。
実は、登山者が多い表側のルートを避け、今日は裏側からのコースを選んでいた。
緩やかな道が多いぶん距離は長くなるが、静かに歩けるのが魅力だ。 |

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整然と立ち並ぶ杉並木(4)
幾何学模様のように整った杉林の中を進んでいく。
ここは、事前の下調べで見つけた初心者向けのコースだ。
“河原谷コース”から“分岐うさぎ道”へ入り、そのまま“うさぎ道”を辿って尾根に出る。
そこから“宇美(猫目)新道”へ移り、宝満山へ向かうのが今日のベストルートである。
表側は多くの登山者で賑わう宝満山も、この裏側の道は人が少なく、静かで歩きやすい。 |
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早い、一休み(5)
「複数で登るときは、初心者のペースに合わせるのが大事だ」
そして「楽しい登山にするには、ちょっとした気配りも必要だ」
そう思って大目に見てはいるのだが──それにしても、Tは少しくつろぎすぎだ。
ドカッと腰を下ろし、身だしなみを整え始める姿を見ていると、
“このまましばらく動かないつもりなんじゃないか…”
と、つい心の中で突っ込みたくなる。 |

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いつの間にか杖を持つT(6)
初心者のTは、Mが持っているステッキに触発されたのか、道端に落ちていた木の枝を拾い上げた。
ステッキは、楽に歩く必須アイテムなのだとMが教えていた。
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再び、休憩(7)
Tには何度も「あと少しだから」と到着時間を短めに伝えて励ましていたのだが、なかなか着かないため、ついに信用されなくなってしまった。
そのうちTは、すれ違う登山者にまで到着時間を尋ね始める。
そして本当の時間を聞くやいなや、
「えー、私、これ以上歩けません」
と半ば泣き言のように訴えるTを、なだめたり励ましたりしながら前へ進んだ。 |

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体力の限界に挑戦しながら進むT(8)
何度も休憩を重ねるうちに、Tもさすがに罪悪感を覚えたのか、体に鞭打つようにして再び歩き出した。
時間こそ予定より遅れていたものの、そのおかげでMもYも汗ひとつかかず、新緑の中をゆったりと進むことができた。 |
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シャクナゲが咲いている! |
美しい新緑! |
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休憩(9)
再び体を休めて、ティータイム。
Tからは、到着時間の質問も出なくなっていた。
マジで足が痛そうだ。
これから先、Tを”励ましモード”から”いたわりモード”へ切り替えることにした。
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えー、これ登るんですか?私無理! (10)
やっと宝満山の裏側までたどり着いた。
ここをもうひと登りすれば頂上なのだが、Tは「もうここまでが限界です」と力なく言う。
老いも若きも、みんな軽やかに登っていくこの場所で、Tがリタイアを選ぶのは正直残念だ。
それでも、ここまでよく頑張ったと思う気持ちもある。 |
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軽々と登って行くM!(11)
一見すると怖そうな岩場だが、鎖が設置されているので、一歩ずつ進めばそれほど難しくはない。
Mはその岩場を前にしてもまったく躊躇せず、スルスルと登っていき、景色を楽しむ余裕すら見せる“ベテランクライマー”のようだった。
おそらく休憩が多すぎて体が鈍っていただけなのだろう。
いざ動き出すと、水を得た魚のように生き生きとしていて、今日はいつにも増して頼もしく見えた。 |

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微妙な集合写真となった山頂風景(12)
頂上には多くの登山者が集まっていた。
ゴールデンウイークだからだろう、若者や子どもたちの姿がとくに目立つ。
集合写真は、岩の上で雄姿を見せるMと、その隣の岩に立つY、そして下で待っているTを合わせた“合成写真”という形になった。
それぞれの位置が違っていても、みんなで登った証としては十分だ。 |
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昼食で、元気を取り戻したT(13)
食事の時間になると、Tはようやく元気を取り戻した。
とはいえ、時計を見るとすでに二時半。昼食には少し遅すぎたかもしれない。
Tは、頂上に立てなかったことを悔しそうにしていた。
そんなTに向かって、Mがやわらかい声で
「ここまで来られたんだから、ほぼ頂上に来たのと同じよ!」
と慰めていた。 |
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駐車場には西日が射していた(14)
この時期は、どこを見ても花が咲き誇っている。
公園の周りではツツジが陽の光を受けて鮮やかに輝き、まるで道行きを祝福してくれているようだった。
帰り道は、直方・憩いの村で温泉に浸かり、歩き疲れた体をゆっくりと癒した。
その後、心地よい余韻をまといながら北九州へと向かった。 |
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最後に
今回歩いたコースは急な坂も少なく、時間さえかければ楽に登れる道だった。
それでも新人のTにとってはかなりハードだったようで、下山途中には足に疲労がしっかり出ていた。
無理をせず、療養と運動を繰り返しながら、少しずつ体力をつけていってほしい。
帰りに立ち寄った温泉では、Tの表情にもようやく安堵が戻り、疲れもかなり取れたようだった。
外に出ると、空には丸く大きな月が静かに輝いていた。
長い一日の終わりを、やさしく照らしてくれているようだった。
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