2026年1月6日 (火曜日)
【コース】
片江展望台 (7:50) ~ 片江山 (8:05) ~ 林道分岐 (8:10) ~ 片江展望台分岐 (8:15) ~ ハート岩 (8:20) ~ 妙見鼻
(8:25) ~ 反射板 1(8:28) ~ 反射板2 (8:33) ~ 妙見望 (8:35) ~ 妙見山 (8:43) ~ 妙見岩 (8:50) ~ 国地院
(9:20) ~ 国見岩 (9:27) ~ 油山 (9:38) ~ 低地 (10:15) ~ 荒平山 (10:30) ~ 林道 (11:55) ~ 林道分岐
(12:38) ~ 片江展望台 (12:50)
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(1)渋滞を避けて早朝出発する
油山観光道路を登っていると、ふと夜景が目に入り、思わず車を止めて写真を撮った。
空が白み始めてきたので、事前にネットで調べておいた駐車場へ向かったのだが、着いてみるとそれらしい場所がどこにも見当たらず、思わず愕然とする。
市民の森入口付近にあるはずなのに、路肩には「駐車禁止」の看板が立ち並び、駐車場らしきスペースは影も形もない。
周囲を探し回るも状況は変わらず、最悪、市民の森の門が開く9時まで待つしかない。しかし、まだ1時間以上もある。
どうしたものかと考えていると、さっきから何度もすれ違っていた若い男女が、また目の前を通り過ぎていった。
この暗さと寒さの中で散歩というわけでもあるまい、と不思議に思いながらその背中を見送る。
気を取り直してスマホで再度調べてみると、この近くに「片江展望台駐車場」という場所があることがわかった。
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(2)天の助け、駐車場があった!
祈るような気持ちで片江展望台へ向かうと、そこは広場になっていた。
ようやく胸をなでおろして車を停めたものの、念のため近くにいた年配の女性に「ここに停めても大丈夫ですか」と尋ねると、にこやかに「大丈夫ですよ」と教えてくれた。
お礼を言って登山の準備をしていると、先ほどの女性は何人かと合流し、ラジオ体操を始めていた。
やがて、先ほど何度もすれ違った若い男女が展望台へと歩いてきた。
――目的地はここだったのだ。
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(3)片江展望台から山道に入る
片江展望台の脇には「梅林・野芥(のけ)」と書かれた案内板があり、その方向へと登り始めた。
山道を進むにつれ、背後から朝日が差し込み、周囲の木々が一斉に赤く染まり始めた。
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(4)林道に出る
片江展望台から歩くこと五、六分で林道へ出た。
どうやらここが林道の起点らしい。
地図を見る限り、片江山はこの先のようだ。 |
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(5)片江山
林道から油山とは反対方向へ少し戻ったところに、片江山があった。
山頂は木々に覆われており、眺望はほとんどきかない。
ここから山を下っていくと梅林の住宅地へ抜け、市街地の福大前駅に出るらしい。
市街地側から登るルートがあると、ネットで見たことを思い出した。
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(6)油山へ向かう
元の場所へ戻り、林道をそのまま進む。
舗装された道が奥へ奥へと続いており、山道らしい荒々しさはまるでない。
このまま油山まで舗装道路が続いているのではないか――そんな興ざめした思いがふっと頭をよぎった。 |
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(7)林道分岐
少し歩いた先に分かれ道があり、舗装道路から外れて、ようやく待望の登山道へ入った。
土の感触が足裏に戻り、ようやく“山に来た”という実感が湧いてくる。 |

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(8)登山道を歩く
ゆるやかな坂道が続き、木々の間からちらりと見えていた先ほどの舗装道路が、歩くにつれて少しずつ遠ざかっていく。
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(9)片江展望台分岐
少し登ったところにも、片江展望台へ下る分岐があった。
そういえば今回は、市民の森側の吊り橋を通るコースを歩くつもりだったのに、気づけばまったく別のルートを進んでいる。
しょっぱなから予定とは違う展開だが、これも山歩きの面白さなのかもしれない。 |

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(10)傾斜が増してくる
正月飾りのウラジロを思わせるシダが、斜面一面に広がっていた。
その中をゆっくりと登りきると、道はふいに下りへと転じた。
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(11)ハート岩
油山の紹介記事に「ハート岩」という名所があると書かれていたが、歩いているあいだ案内板を見た覚えがなく、見落としたのだろうと少し残念に思っていた。
ところが後で写真を見返してみると、しっかりとハートの形をした岩が写っていた。
気づかないまま通り過ぎていたとは思えないほど、きれいな形をしていた。 |

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(12)妙見鼻
アップダウンの道がしばらく続き、やがて小さなピークに出た。
ここは「妙見鼻」と呼ばれているらしい。
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(13)反射板
進んでいくと、前方に鉄塔が姿を現した。
近づいてみると説明板があり、この反射板は建設省専用の無線回線に使われるマイクロ波を反射し、電波の進路を変える役割を担っていると書かれていた。
道路管理のための設備らしい。
さらに先へ進むと、同じような反射板がもう一か所設置されていた。
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(14)妙見望
反射板からしばらく歩くと道は上りに変わり、やがて視界が一気に開けた。
傍らには「妙見望」と書かれた細い標柱が立っており、周囲にはいくつかのベンチが並んでいた。
ここは展望を兼ねた休憩場所になっていた。 |
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(15)ベンチに座ってみた
前方には、福岡市西区方面の飯盛山が見えていた。
その向こう側には、糸島の海が広がっているはずだ。
右手側の眺望も素晴らしく、能古島から海の中道までが一望できた。
朝の光に照らされた海と島々が、静かに浮かび上がるように見えた。
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(16)妙見山
さらに進むと、道は再び上り坂へと変わった。
その先に、妙見山(452m)と記された細い標柱が立っていた。
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(17)道が続く
道はゆっくりとしたアップダウンを繰り返し、まるでいざなわれるように足が前へ進む。
道の両側は深い斜面になっており、ここは尾根道なのだとわかる。
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(18)ベンチのある休憩所
また視界の開けた場所に出た。
ここからは、背振山方面が見えた。
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(19)妙見岩
岩の横には、古い由来を書いた説明板が立っていた。
「昔、北辰妙見大菩薩が祀られていた場所で、龍樹権現(りゅうじゅごんげん)の上宮と称されています。今は大岩だけが残っています。干ばつの際には焚火をたき、太鼓をたたいて雨乞いをした場所です。」
説明を読みながら、ここがかつて信仰の場として人々の祈りを集めていた場所なのだと知ると、まるで過去へとタイムスリップでもしたような心地になる。
静かな山道の途中に、こんな歴史の名残があることが、意外でもあり心に残った。
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(20)道の雰囲気が変わった
木の根が石を覆うように張り出した道や、木々の間が深く削れた細い道が目立つようになってきた。
木の階段を除けば、人の手がほとんど入っていない、山そのものの表情がそのまま現れていた。
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(21)國見岩
國見岩の上に立ってみたが、真っすぐ立っていないと滑りそうで危ない。
足元がふらつきそうになり、戻るときは思わず這いつくばって岩を離れた。
そばの説明書きには、ここはかつて黒田公が城下の配置を見渡した場所だと書かれていが、さすがにこの滑りやすい岩の上までは登らなかったのではないかと思う。
当時の人々がどこに立って景色を眺めていたのか、つい想像してしまう。
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(22)油山山頂
ついに山頂(597m)に到着した。
山頂は思いのほか広く、手製のベンチがいくつか並んでいる。
設置された温度計は3度を指していたが、歩いてきたせいか、それほど寒さは感じない。
むしろ、ひんやりとした空気が心地いい。
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(23)油山からの景色
ここから海が見えるのだから、歩いてきた方角はあちらだ。
奥へ向かって少しずつ標高が上がっているのがわかる。
ゆるやかな傾斜をたどってここまで来たおかげで、疲れはほとんど感じない。
この先の荒平山へ向かうかどうかは、まだ決めかねている。
行けば往復で二時間はかかるはずだ。
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(24)好奇心が勝った
荒平山へ向かうことにした。
油山の先へ進むと、道は突然、真っ逆さまと言いたくなるほどの急な下り坂に変わった。
ロープがずっと張られており、それにつかまりながら慎重に下っていく。
下れど下れど急斜面が続き、足元への緊張が抜けない。
このまま戻ることを考えると、帰りが少し心配になってきた。
この時点で、すでに別の道から帰ることを考え始めていた。
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(25)油山と荒平山の間の低地
ようやく急な下りが終わった。
ここまでで三十五分。思った以上に長い下りだった。
道端には「脇山」と書かれた立札が立っており、端には「初心者不向き」とも記されている。
おそらく脇山からの入山道なのだろうが、道が荒れているのかもしれない
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(26)荒平山への上り坂
荒平山への上り坂で一息ついていると、一人の登山者が下ってきた。
ここから油山を経由しない回り道がないか尋ねてみたが、その人は「ないですね〜」ときっぱり言い切り、そのまま軽い足取りで去っていった。
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(27)荒平山
荒平山に到着した。
ここは城跡で、そばには説明書きが立っていた。
1462年、この山には安楽平城(あらひらじょう)という山城が築かれていたという。
今は石碑と案内板が残るだけだが、静かな山頂に立っていると、かつてここに人々の営みがあったことを想像してしまう。
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(28)荒平山からの眺望
前方には、背振山から三瀬峠へと続く山並みがゆるやかに連なって見えた。
別の場所から振り返ると、さきほど下ってきた油山の姿も確認できる。
ここで一度、戻り道をどうするか考える。
あの低地まで下りて、そのまま山を抜けられないか調べてみるつもりだが、最終的には現地の様子を見て判断しようと思う。
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(29)回り道ルートを選ぶ
脇山の立札があった場所まで下りてきて、油山へは戻らず、左手の重留方面へ入った。
歩き始めてすぐ、「道が全くない! このまま行けるのか? それとも戻るべきか?」という迷いが頭をよぎる。
それでも「油山のあの急斜面には戻りたくない」という思いが勝り、先へ進むことにした。
もし行く手を塞ぐような藪だったら即座に引き返していただろうが、幸いそうではなかった。
途中、赤い目印の布を見つけてほっとしたり、深い谷の先に張られた十メートルほどのロープを頼りに渓谷を越えたりと、不安と興味が入り混じる気持ちのまま、さらに奥へと足を運んだ。
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(29) |
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(30)林道
山の中で赤い布が見えたり見えなかったり、深い渓谷にはさまれたりと、まるで小さな冒険の連続だった。
そんな道を抜け、ようやく林道へ出たときは、思わず胸が熱くなるほどだった。
この林道を進めば、最初に通った林道の分岐へ戻れる。
先の不安はすっかり消えたものの、ここからさらに一時間ほど歩くことになりそうだ。
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(31)喧噪とした街の先に海と島が見える
道の途中で遠くの景色が開け、能古島や玄界島らしき島影が見えた。
さらに歩いていくと、人家が二、三軒あり、その近くの見晴らしのいい場所には椅子が置かれていた。
しかし歩き続けるうちに、右太ももの上部がつり始め、足が限界に近いことを悟る。
小枝を拾って杖代わりにしてみたが、すぐに折れてしまった。
休みながら少しずつ進もうとするものの、すぐに足が張ってつりそうになる。
ついにアスファルトの上にドカッと腰を下ろし、あぐらをかいて座ってみた。
すると不思議なことに、足のつりがすっと消え、再び歩けるようになった。
あぐらの姿勢が良かったのだろうか、と首をかしげる。
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(32)片江展望台に到着
無事に駐車場へ戻ってきた。
リュックを下ろし、靴を履き替えたあと、なだれ込むように車へ乗り込む。
仮眠をとろうと目を閉じてみたが、興奮が残っているのか、なかなか眠れない。
しばらく横になったのち、諦めて起き上がり、自宅までのナビをセットした。
ルートは天神のど真ん中を通る設定になっていたが、修正するのも面倒で、そのまま市内を抜けて3号線へ。
思ったより渋滞もなく、北九州の自宅には午後3時前に到着した。
長い一日の終わりに、ようやく深い息をつけた気がした。
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